つぶやき2021


Nov. 27, 2021  警報システムの盲点

 どんなにすぐれた警報も、受け取る側がそれで何をすればよいのか知らないのでは役に立たない。洪水の警報システムについて長い歴史をもつドイツで行われた聞き取り調査に基づく報告はそう述べています。

 今の日本で、洪水の切迫についてアクセスしやすい情報に、気象庁の「洪水警報の危険度分布(キキクル・洪水害)」があります。しかし、洪水にリスクがあることを知らなければ、この情報にアクセスしようと思わないでしょう。こんな情報があることも知らないかもしれません。

 自分が洪水にリスクがあるかどうか、ハザードマップの浸水想定区域を見ればわかります。確認しておくといいですね。新規に住宅を購入したり事業所を構えたりする場合は、前もって確認しておくのが利口です。

 受け取る側がそれを受け取って何をすればよいのか知らなければ情報は役に立たない。これはあたりまえのことですが、情報の整備には、まさにここに盲点があります。

Nov. 16, 2021  COP26

 産業革命をきっかけに人為的原因で気温が上昇しはじめました。この上昇を今世紀末の時点で1.5℃にとどめることができるか? これが今回のCOP26のテーマでした。今回の開催地は、まさに産業革命発祥の地イギリスでした。

 イギリスは石炭を使って発展を遂げてきました。いま、発展を石炭に頼っている国もあります。気候変動は人類全体の課題ですが、そのためにできることも担うべき責任も国によってさまざまです。

 4万人が参加して行われた会議は、最後まで縺れました。シャーマ議長は、参加者の「英雄的努力」を称賛しています。今回の会議、点数で評価するとすれば「2.4℃」ということになるでしょう。各国が表明した削減目標を合算すると、気温上昇は2.4℃前後になります。

 会議の成果は2℃目標にはおよびません。1.5℃にはなおさらです。合意文書は、2030年までの10年間が岐路になる、と述べています。議長はまた、市民団体やわかものたちが加え続けた「圧力」に感謝を表明しています。